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Jリーグ 6日前

神谷優太は「自分が犠牲になってでも…」ファジアーノ岡山での影響力はピッチ外まで及ぶ。その姿はまるで…【コラム】

シリーズ:コラム text by 難波拓未 photo by Getty Images

神谷優太が持つ“ある力”とは

「我々には守備のやり方がいくつかある。今日は最初に選択したものではなくてもう1つの方法のほうが良いプレッシャーが掛かる状況になっていた。僕から逆サイドまで声が届かない状態だったので、『少しシフトチェンジして、前半のうちはそれでしっかりとやろう』ということを伝えました」(木山隆之監督)

 岩渕弘人、加藤聖、鈴木喜丈はベンチに近い左サイドでプレーしているため指示はしやすい。だが、木山監督は彼らよりも遠くにいた神谷に指示を送っている。しかも、その内容は個人の修正点ではなく、チーム全体の守備についてだった。

 もちろん[3-4-2-1]のシステムの中央でプレーしていることで前後左右に伝達しやすいという理由もあるだろうが、神谷が持つ“試合を読む力”を信頼しているからでもある。

「優太は本当に状況をよく見ることができる選手。今、自分たちがどういう状況なのかを理解し、そういう時に必要なことを判断して実践できる。状況を変えてくれる貴重な選手だと思っています」(木山監督)

 神谷は2024年7月に韓国の江原FCから加入後、シャドーの位置で途中出場することがほとんどだった。ボールを前に運ぶドリブルや縦パス、タメを作るキープ力で攻撃のリズムに変化を加え、リーグ戦13試合で1ゴール。ジョーカーの役割を全うし、クラブ史上初のJ1昇格に貢献した。

 自身にとって3シーズンぶりのJ1に臨む今シーズンは、始動日から一貫してボランチで調整。紅白戦や練習試合でも中盤の底を務めた。在籍2年目でポジションが一列下がったことについて次のように受け止めていた。

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