自分の立ち位置なんて関係ない「優太はいろいろな意味でチームを繋いでくれる選手」
「自分が犠牲になってでも、チームが少しでも仕上がり輝いていればいいかなと思います。(本山)遥がチャンピオンチーム(ヴィッセル神戸)に移籍しましたけど、自分がアドバイスをしていた選手が羽ばたいてくれたことにうれしさも感じた。今年のチームも若い選手が多いので、彼ら全員が自信を持って成長してくれるように、僕の経験を伝えられたらいいなと思います」
チームが良くなることを第一に考える。そのためなら自分の立ち位置なんて関係ない。その献身性は、木山監督が「優太は感覚も優れているけど、本当に人間味があって。後輩の面倒見も良いし、上の人との繋がりも良い。いろいろな意味でチームを繋いでくれる選手」と高く買うほどだ。
もちろん自分自身の成長にも目を向けている。技術の高さを武器にアタッカーとして鳴らしてきた男は、守備力の向上に取り組み中。浦和戦では19分に深いタックルで荻原拓也からボールを奪い、29分にはマテウス・サヴィオのパスをカットし、前半アディショナルタイムには鋭い出足から身体をぶつけながらサンタナとのルーズボール争いを制すなど、意識改革の成果が出た。
しかし、「守備の部分に関しては求められていることよりももっとやらないといけない」と満足していない。貪欲な向上心をピッチ内で後輩に示しているのだ。
ピッチ上の指揮官として、司令塔として、包容力のある先輩として──。神谷優太は様々な中継点を担い、チームも自分も成長させながらJ1を戦っている。
(取材・文:難波拓未)
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