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Jリーグ 2か月前

「何度かインタビューをしたけど…」ガンバ大阪デニス・ヒュメットとは何者なのか? 現地記者に訊いた評価と不安材料【コラム】

シリーズ:コラム text by 鈴木肇 photo by Getty Images

「ヒュメットは違う」「伝統的な『9番』ではないから」

 「ヒュメットは非の打ち所がないFWに成長した。フィジカルに優れ、プレッシングも得意で、決定力も高い。『9番』の選手はプレーに関与しないタイプが多いが、ヒュメットは違う。プレー理解度が高く、色んなタイプの選手とうまく連携できる。リンクプレーヤーといえるだろう」

「2024年のユールゴーデンにとってヒュメットがいかに重要な存在だったかを言葉で説明するのは難しい。公式戦でマークした24得点は、1シーズンで記録した選手としてはクラブ史上4番目に大きい数字だ。しかも、ヒュメットが決めたゴールの多くは試合を決定づけるものだった。ユールゴーデンがカンファレンスリーグで勝ち進んでいる最も大きな要因はデニス・ヒュメットの存在だと思う。彼が決めたすべての得点がなければ昨シーズンにおけるクラブの結果は違ったものになっただろう。そのため、ヒュメットが抜けた穴を埋めるのは難しい」

 プレースタイルについて言うと、ヒュメット自身、エレブロー時代に地元メディア『Fotbollskanalen』に対して「自分は(ロベルト)フィルミーノのようなプレースタイル。ボックス内で待ち構えているだけではなく、裏への動き出しも好きなんだ。プレーに関わりたい」と自身のプレーを分析したことがある。

 ユールゴーデン加入後初の得点をマークしたあとのインタビューでは「もちろん、初ゴールは大きな意味を持つ。だけど、正直に言えば得点を決めることに対してあまり重圧は感じていなかった。何をもってチームに貢献できるかわかっているし、自分はただボールを押し込むだけの伝統的な『9番』ではないからね」と語っていた。

 守備における貢献度の高さも強みだ。エレブロー時代のアクセル・シェル監督は「プレッシングの急先鋒としての能力がある」と高く評価し、ヒュメットをプレッシングのキーマンに挙げたことがある。昨シーズンまでユールゴーデンで監督を務めていたトーマス・ラーゲルレーヴは「最後の20分になってもプレスをかけるスピードや動きの速さが落ちない」と称えた。

 一方、不安材料としてモルク氏は次のように指摘する。

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