決して偶然ではない、日頃からの取り組み
「4文字で言いますよ。“たまたま”です(笑)」
打った本人も「びっくり」と言うが、決して偶然やまぐれなどではない。チームとしての役割や配置がデザインされた狙い通りのものだ。
また、普段の全体トレーニング終了後、毎回と言っていいほど髙橋は居残りでトレーニングを行う。ある時は『止めて・蹴る』、またある時は『ロングフィード』、また『スプリントメニュー』、『シュート』など取り組むべき課題を見つけては自分が納得のいくプレーができるまで汗をかく。
「試合2日前に同じ形でシュート練習をしていました。一回もあんなに綺麗に決まっていないのに(笑)」とおどけて話し、“たまたま”と謙遜して言うが、日々のトレーニングの積み重ねと準備を怠らない姿勢があったからこそ生まれたゴールでもあった。
さらに2点目の起点となったアーリークロスも彼の十八番だ。糸を引くようなボールが逆サイドの日高大に届くと、迷わずにボレーシュート。一度は相手キーパーに弾かれるも田中和樹が右足で押し込み、勝ち越しゴールを奪った。
「僕のボールというより、(日高)大くんがボールを奪って、あそこまで上がって(田中)和樹もゴール前に詰めていた。僕というよりみんなで獲ったものです」
苦しい試合を2-1とものにし、白星に貢献した髙橋について小林監督は手放しで賞賛した。