荒木遼太郎の立場はどうなる…

　鈴木の大移動も受け入れている鬼木監督からすると、レオ・セアラ以外にゴール前に集中できる選手も欲しいところだ。左サイドに起用されたチャヴリッチは興味深い選択となった。鈴木が好む左サイドでのプレーと、チャヴリッチが好むゴール前でのプレーというお互いの関係性からナチュラルにポジションチェンジが発生する仕組み作りは鬼木監督の得意技なのかもしれない。

　荒木の復活も期待される。とうとう京都サンガF.C.戦でスタメンに名を連ねた荒木は、相手がそばにいても関係ないプレーでチームを支えていた。小池とは異なるものをチームにもたらしてくれることは間違いないだろう。

　また、鬼木監督の試合中の選手交代も非常に興味深い。セントラルハーフを両方交代することもあれば、鈴木をあっさりとベンチに下げることもある。多くの選手が出場機会を得ることによって、徐々にラージスカッドの形成に繋がっていることも見逃せない点だろう。三竿健人の復帰、舩橋佑の台頭でセントラルハーフの層は厚くなってきている。

　キャスティングや選手の組み合わせで、チームのバランスを維持しながらも、徐々に自分の色を出しつつある鹿島は新監督を招聘した立場における理想的なスタートなのではないだろうか。結果で内容をごまかしながらも徐々にピッチの景色を修正できる流れは素晴らしい。

　ただし、すこし都合のよい結果が出すぎている気がするので、そろそろ結果が出なくなるころかもしれない。それを耐えきるための守備力と理不尽なストライカー、困ったときのセットプレーでどれだけ勝ち点を獲得できたか、で最終順位に大きな影響が出てくるのではないだろうか。4、5月の決戦で今の結果を継続できれば、鹿島はひょっとするかもしれない。

（文：らいかーると）

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