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Jリーグ 8か月前

三浦颯太の表情は暗かった。なぜなら…。「もうちょい…」川崎フロンターレの左SBから見た清水エスパルス【コラム】

シリーズ:コラム text by 江藤高志 photo by Getty Images

アシストは「余裕を持ってクロスを上げられた」。清水エスパルスは「全然うまくいっていなかった」

「相手が4バックだったので。僕の長いランニングに前半もついてこれてないなと思ってたので。マルシーニョにいいボールが入った時点で、結構余裕を持ってクロスを上げられました」

 そう自らのアシストを振り返る三浦は「前半ちょっと、マルシーニョと合わなかったんですけど、しっかりそれは修正できて。クオリティを上げられたかなと思います」と明かす。ただ、清水が退場者を出す中、勝ち切れなかったことについて「失点してしまったというところはそうですし。相手が人数減った中で、もうちょい揺さぶってからクロスとかを上げられたならと思っていました」と反省していた。

 なお、この日の清水はここ最近採用してきた3バックではなく、4バックで試合に臨んでいたが「相手が4枚の方がやりやすいなと思っていました」と話す。

 なぜならば「サイドバックの僕がランニングしたら、(清水の)サイドハーフが付いて行くのか。(清水の)サイドバックが(川崎の)サイドハーフを空けて俺に付いてくるかということになると思いますが、その受け渡しが全然うまくいっていなかったので。やりやすさは感じてました」という状況があったから。つまり清水は、システムの変更に伴うサイドでの守備が整理できておらず、その清水の守備を三浦の攻撃がかき乱せていたのだ。

 川崎はサイドからの攻撃で清水を上回っており、その結果として決定的なチャンスも作れており、試合終盤には清水には退場者も出ていた。だから、この清水戦は三浦にとって勝たなければならない試合だった。そんな悔しさが、取材時の表情に出ていた。

 それでも三浦がプロフェッショナルな選手だと思えたのは、悔しい試合後もしっかりと取材対応する姿があったから。当然といえば当然なことだが、それができない選手もいることを考えると、三浦の対応はプロのそれだった。

 三浦自身は数字として結果を残しつつある。それがチームの勝利に結びつかないもどかしさがあるのだが、やり続けてほしいと思う。23日間で7試合を戦う過密日程も、この清水戦で5試合を消化した。残り2試合を戦うと、次はサウジアラビアでのAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の決戦が待っている。

(取材・文:江藤高志)

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