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Jリーグ 8か月前

「体も強くなったし、走れるように…」サガン鳥栖、西川潤は“うまい選手”から“怖い選手”へ。見つめ直した自分の姿【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

「“うまい選手”から“怖い選手”へ進化していると…」

サガン鳥栖所属MF西川潤
【写真:Getty Images】

 そして73分、自陣でのクイックリスタートを機に、中盤の櫻井辰徳が好位置でボールを受け、左から前線に飛び出した山田にスーパーなスルーパスを供給。これを彼が沈めて喉から手の出るほどほしかった2点目をゲット。鳥栖は勝利をほぼ手中にした。

 この瞬間、西川も櫻井に呼応して右に走り出していたが、相手DF陣はその動きにつられて背後のスペースを大きく空けてしまった。西川としては直接的にゴール・アシストに絡んだわけではないが、黒子の仕事ができるようになったところも間違いなく前進だ。

「今年はアシストと得点を合わせて2ケタに関わっていくことを目標に掲げています。その中でチームの約束事だったり、守備での貢献、あまり見えないところにも貢献していくということを意識している。そういうのを出していけたらいいと思います」と本人も語気を強めたが、近年のアタッカーにとっては数字や結果に表れない地味な仕事をどれだけ繰り返せるかも重要な要素。10代の頃に華々しい時代を過ごした彼がそこに気づいたのは大きい。

 それは小菊監督も認めていた点だ。

「彼が素晴らしい才能を持っているのはみなさんも承知していると思います。ただ、守備のところとプレーの連続性を向上させ、怖い選手になることが課題でした。昨季レンタルでいわきに行って、いろんな環境で異なるサッカーと触れ合ったうえで今季、鳥栖で再会しましたが、サッカーに取り組む姿勢や守備面に変化が見られ、“うまい選手”から“怖い選手”へ進化していると感じました」

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