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Jリーグ 1か月前

「やりますよ」宇野禅斗の一言から始まった清水エスパルスの逆転劇。21歳の勇気ある行動が苦しむチームを救った【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグ第12節、横浜F・マリノス対清水エスパルスが16日に日産スタジアムで行われた。清水は2点を先行される苦しい展開となったが、中原輝がFKを直接決めて反撃の狼煙を上げると、後半から出場した乾貴士が2得点に絡んで試合をひっくり返した。劇的な逆転勝利の裏には、宇野禅斗の勇気ある行動があった。(取材・文:加藤健一)

清水エスパルスMF宇野禅斗
【写真:Getty Images】

宇野禅斗が自ら右サイドバックに名乗り出た理由

「自分がやりますよ」

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 スタッフを通じてチームにそう伝えたのは、横浜F・マリノス戦を間近に控えた練習のときだった。ボランチとしてここまで9試合に先発している宇野禅斗だったが、自身がサイドバックの選択肢になることがチームのために必要だということを分かっていた。

「怪我やアクシデントでチームが苦しい状況って中で、複数ポジションできるっていうのはチームの助けになる」

 秋葉忠宏監督は試合後、右サイドバックに宇野を置いた経緯を明かしている。

「見てもらえばわかるとおりサイドバックの選手がほとんどいない状態で、禅斗はサイドバックをやったことがあるということと、素晴らしいメンタリティを持っているので、チームの苦しい台所事情を理解して『僕やれます』という話をしてくれていた」

 前節で退場処分を受けた北爪健吾が出場停止。山原怜音、住吉ジェラニレショーン、高木践が欠場。羽田健人が今季リーグ戦初出場で初先発、そして法政大学在学中(JFA・Jリーグ特別指定選手)の大畑凜生が途中出場でリーグ戦デビュー。この状況だけ見ても、台所事情の苦しさが伝わってくるだろう。

 とはいえ、宇野もサイドバックに自信があったわけではない。FC町田ゼルビアでの在籍1年目にわずかに経験があり、中学時代はセンターバックの経験もある。ただ、清水では練習でもほとんどプレーしていなかった。

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