なぜ宇野禅斗は右サイドバックで輝いたのか?「距離感が良くなったからこそ…」
未知のポジションではなかったにせよ、実戦のピッチは別物だ。だが宇野は、「今のチームを支えるために何ができるか」を最優先に考えて、チームに意思を伝えた。
「監督が4バックで行きたいと思っているんだったら、自分がやりますよっていう意思を伝えた」
その覚悟が、後半からの劇的な展開を呼び込む。
宇野がボランチでプレーした前半は、苦しい時間帯が続いた。清水は0-1とリードを許してハーフタイムを迎える。
「前半苦しい時間も多かったですし、なかなかうまくいかない展開になってしまったので、やっぱりそれは反省点として持っていかないといけないと思います」
後半、宇野は右サイドバックにポジションを移した。視野やポジション感覚の変化に戸惑いがなかったと言ったら嘘になる。それでも、45分間、サイドバックとしての役割に没頭していた。
「感触としてもなかなか今までやってきたポジションではなかった中で、みんなにはよくやったって言ってもらえた。もっともっと、なんならこのポジションができるって堂々と言えるぐらいのクオリティをもっと出さないといけないと思いますけど、この試合に関しては45分しっかり仕事をまっとうできたと思います」
後半、清水は完全に流れを掴み、ゴールを重ねて試合をひっくり返した。宇野はその勝因をこう分析する。