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Jリーグ 1か月前

「このままじゃダメだ」あのとき、腐りかけていた松原健を横浜F・マリノスの先輩たちが救った。抑えきれなかった涙の理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグの第12節、前倒し分として開催された横浜F・マリノス対清水エスパルスは2-3で清水が勝利した。マリノスは未だリーグ戦1勝のみ。在籍9年目、チームの中でもリーダー的な存在となった松原健はこの状況をどう受け止めているのか。サポーターの声援が胸に突き刺さり、松原は人目を憚らず涙した。(取材・文:菊地正典)

自分で体現したかったし、みんなにも体現してほしかった

松原健
【写真:Getty Images】

 最後まで諦めなかった。諦めたくはなかった。松原健は、下を向くチームメイトに活を入れた。

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 AFCチャンピオンズエリート(ACLE)ファイナルズ出場のため前倒しで4月16日に行われたJ1第12節、清水エスパルス戦。横浜F・マリノスは、2点をリードしながら逆転を許していた。

「前を向け。点を取るしかないぞ」

 激しいアクションと口調で松原が伝える。何度も左胸のエンブレムを叩いた。

「マリノスはこういうところにいるチームじゃない。こういう状況でもしっかり跳ね返せる」

 同点に追いつかれた後も、オウンゴールしたジャン・クルードの背中を叩いて鼓舞しただけでなく、「ボールを触って次の意識を持て」というメッセージ付きのスルーパスを送っていた。

 逆転を許してもなお、本気で勝ちに行く姿勢を体現したかった。みんなに体現してほしかった。なりふり構ってはいられない。松原はチームを背負い、牽引しようとしていた。

「俺にできるかなぁ…」。

 松原がそう呟いたのは、昨年10月ごろのことだった。

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