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Jリーグ 2か月前

「そこそこ強い」じゃ面白くない。東京ヴェルディ、千田海人の揺るがぬ信念。恩師の言葉を胸に武器を尖らせ続ける理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「自分を変えたいと思ってヴェルディに…」

 ベガルタ仙台の本拠地ユアテックスタジアム仙台の近くで生まれ育った千田は、幼いころから憧れた仙台のジュニアユースのセレクションを受けるも不合格。3年後にリベンジを果たし、ユースの一員になるもトップチームへの昇格は果たせず、進学した神奈川大学でもなかなか試合に絡めなかった。

 卒業前に届いたオファーは、当時J3だったブラウブリッツ秋田からのひとつだけ。2年目の2018シーズンから最終ラインに定着した千田は、2020シーズンのJ3リーグ優勝に貢献。J2リーグでも強さを発揮し続け、迎えた2022シーズンのオフにオファーを受けたヴェルディへの移籍を即決した。

「自分を変えたいと思ってヴェルディにきた。J1に出場しただけの選手では終わりたくない」

 2023シーズンはJ2リーグで12試合、635分のプレーにとどまった千田はそれでも目標を高く掲げながら、谷口栄斗の怪我でめぐってきた昨年4月のチャンスを生かして必要不可欠な存在になった。

「あれがどうだとか、あのときにもっとこうしていたらとか、ないものねだりをするのではなくて、サッカーができる幸せを感じながら、いままでと同じように向上心をもって、上を目指してやるだけです」

 キャリアの“アニバーサリー”を迎えた心境をこう語った千田は、オフに3つの変化に直面した。まずはヴェルディとの契約延長。昨シーズンの軌跡を振り返れば当然に映るが、千田は自身のインスタグラムに「来季も東京ヴェルディでプレーさせていただくことになりました」と感謝のコメントを綴った。

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