千田海人が思う、今の東京ヴェルディに足りないもの
川崎戦の79分に、川崎が自陣から発動させたカウンターからエリソンに抜け出された。ハーフウェイラインの手前から必死に追走した千田が、シュートコースを切り続けた直後。ペナルティーエリア内でたまらずエリソンが切り返したところを、戻ってきた谷口がカットして事なきをえた。
後半アディショナルタイムの93分には、ゴール正面に迫ってきたエリソンのシュートを右足でブロック。その後にプレーが途切れると、千田は苦悶の表情を浮かべて倒れ込んだ。実はエリソンの蹴り足が股間にも当たっていた。体を張り続けた千田は、J1最多得点の川崎を零封した守備をこう振り返った。
「自分たちはハイプレスとハイラインを含めて、守備の組織のところではどのチームよりも厳しくやってきた。高い基準をフロンターレ相手にも見せられたので、あとは点を取るだけでした」
負けなかったヴェルディは、同時に勝利もつかめなかった。直近の5試合は4分1敗。そのうち4試合が無得点という状況に、千田は「若手が多いチームに足りないもの、たとえば覇気を含めて、雰囲気のもっていき方は僕に与えられたタスクだと思っている」とさらに前を見すえた。
「まだまだチーム内の競争もあるので、まずは自分が出たときにチームをしっかりと勝たせる。それを続けていけば成長も、城福監督の信頼もついてくる。まだまだですよ。これから、これから」
ヴェルディの日本人選手では最年長となる30歳の千田が、誰よりもギラギラ感を前面に押し出している。黒星が先行し、引き分けも多いなかで16位と苦しむヴェルディに、頼りになる男が帰ってきた。
(取材・文:藤江直人)
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