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Jリーグ 2か月前

「そこそこ強い」じゃ面白くない。東京ヴェルディ、千田海人の揺るがぬ信念。恩師の言葉を胸に武器を尖らせ続ける理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

背番号5への思い「気持ちもくみ取って…」

「J3からキャリアを始めたなかで、いろいろな選手を見てきた。毎年毎年、自分がプレーできるチームがあるのを幸せに感じるし、オファーをいただける環境にも感謝している。だからこそ、そのチームのために尽くしていきたい。それができれば自分の評価も上がるし、すべてがつながっていくので」

 背番号も「15」から「5」に変えた。秋田時代に背負い続けた愛着深い背番号であると同時に、ヴェルディのアカデミー出身で、昨シーズンの途中まで8年半所属した34歳のレジェンド、平智広の象徴だった「5」を、引き継ぎたいと思っていたと千田は明かす。

「ヴェルディにはアカデミー出身の選手がとても多いし、他のクラブとは異なる伝統があると感じていた。そのなかで平くんにはいろいろとよくしていただいたので、平くんの気持ちもくみ取って、5番は自分が、と思っていた。その意味でもチームから5番をいただけて本当にうれしかった」

 さらに短めに刈った髪の毛の色を、否が応でも目立っていた昨シーズンの金色から生来の黒色に戻した。千田は「特に理由はないんですけど…」と苦笑いを浮かべながら、身長186cm体重82kgの屈強なボディを、さまざまな意味で際立たせてきた金髪に込めていた思いを明かした。

「自分自身、いろいろな髪型をしてきたなかで、確かに昨シーズンはインパクトがありましたよね。でも、見た目からしてインパクトがあるような選手って、けっこう面白いじゃないですか。実力以上に自分を見せたい、というブランディングもあって、昨シーズンは金色にしていました」

 ここで聞いてみた。今シーズンは髪の毛でインパクトを与える必要はなくなったのか、と。

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