初の「C3」。チームメイトも驚く高井幸大の変化
「相手チームは強豪クラブで出ている選手がたくさんいましたし、自分たちもそうやっていかないといけない」
その約1か月後、高井はA代表に初招集される。中国代表戦では途中出場でデビューを果たした。板倉滉も「落ち着いていて、普段通りのプレーをしていた」と信頼を口にした。
そして、2025年3月のサウジアラビア戦。ついにA代表初先発のチャンスが巡ってくる。ピッチ内で淡々と自分の仕事をこなした高井のプレーを、森保一監督はこう総括した。
「非常に落ち着いていて、今日の試合の流れを作る上で大きな貢献をしてくれた。Jリーグを代表する存在としての自覚を持って、堂々とプレーしていた」
確実に影響力を与えるプレーヤーへと成長している。
その変化は、クラブに戻ってからも続く。代表活動の数週間後に行われたアルビレックス新潟との試合で、高井はイエローカードをもらっている。
ただのイエローカードではない。公式記録には「C3」と書いてある。自身のファウルに納得がいかず、主審に激しく詰め寄ったシーンが異議と判断された。リーグ戦で異議による警告を受けたのはこの時が初めてだった。
「あんなこと言うタイプじゃないけど、言うようになった。あいつも(A代表に行って)逞しくなって帰ってきたんで」(佐々木)
高井は同期加入で同じ最終ラインを統率する立場の佐々木は「自分たちも幸大の姿を見て、もっとやらなきゃと感じている」と刺激を受けた。