AFCチャンピオンズリーグエリートという大きな壁

　鬼木達前監督は以前、高井について「ビッグマッチでの集中力が高く、そういう試合で力を発揮できる」と評していたことがある。

　たしかに、緊迫する場面でも高井から緊張感は感じられない。A代表デビューとなった中国代表戦では、ベンチに下がる板倉を待つ高井は笑みを浮かべていた。むしろその緊張感を楽しんでいるようにすら見える。

　2022年の夏、ジャパンツアーで来日していたパリ・サンジェルマンと川崎が対戦し、17歳だった高井は86分にピッチに立った。翌年はバイエルン・ミュンヘン戦に先発し、セルジュ・ニャブリらとマッチアップしている。その1年後にはパリ五輪でU-23スペイン代表と対峙した。

　小学生のときから世界大会や海外遠征を経験し、世界を肌で感じてきた。その経験のひとつひとつが、高井という選手を成長させている。

　AFCチャンピオンズリーグエリート（ACLE）ファイナルズは、川崎にとっても高井にとっても大きな壁になる。しかし、その壁を目の前にしたときに高井はどんなプレーを見せてくれるのか、楽しみで仕方ない。

（取材・文：加藤健一）
　
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