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Jリーグ 2か月前

「正直、焦りはあった」浦和レッズが強い。その理由を、金子拓郎は肌で感じている。「最初は個人でやるだけで…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 photo by Getty Images

金子拓郎の肩の荷が下りた「焦りはありましたが…」

金子拓郎
【写真:Getty Images】

 これで浦和は5連勝。3点目を奪いにいくためのギアは上がらなかったが、勝ち切ったことはプラス材料としたい。選手の特徴と配置が適材適所でハマり、攻撃では裏に抜け出す動きや流動性が増えた。守備ではプレスのかけ方が整備され、攻守のバランスが取れている。

 金子は「1つ勝ち始めて、みんなに自信がみなぎっている。自信を持ってプレーできている。前線だけでなく中盤にも連動性が出ている。最初は個人でやるだけで、単発に終わっていた部分が多かったのですが、今は連動して3人目の動きが増えていると感じています」と好調の理由を明かす。

 そして直近5試合ではチームとして10得点を記録。誰かひとりに頼る訳ではなく、前線の攻撃陣がそれぞれの持ち味を発揮し得点に絡むなど好循環が生まれている。

「コンビネーションの部分で選手がつながっているのを、自分たちもプレーしていて感じています。その上で、誰がボールを持っても怖い存在になれているのが、今のチームの強みかなと思います」

 金子は、前節のサンフレッチェ広島との試合で、リーグ戦12試合目にして今シーズン初ゴールを記録。それまで好機はありながらもゴールが遠かった。「ここまで初ゴールを取れなかったシーズンは記憶にない」とナーバスになった部分もあったが、チームに勝利をもたらしたことで肩の荷がスッと下りたのではないだろうか。

「正直、焦りはありましたが、ひとつ取ったことで力が抜けた部分はあると思います。まだ1点だけなんで満足はしていません。これが良い方向に行くようにリラックスしながら、点に絡めるように頑張るだけです」

 何かをやってくれそう。そんな不思議な期待感が金子から漂う。「選手として自分の結果にフォーカスしなければいけないですし、ポジション争いに負けるつもりはない。チームのことを考えつつも、自分のプレーをもっと出していきたいと思います」と歯切れ良く答えるコメントには決して小さくない響きがある。

 金子の今シーズン2得点目も、そう遠くはないだろう。本領を発揮し始めている背番号「77」の活躍に注目したい。

(取材・文:石田達也)

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【了】

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