「こんなので満足してるようでは…」
スタートから出し惜しみせずに、守備でも攻撃でもどんどんアグレッシブに行こうというチームの方針が、試合前から伝えられていた。その中で倍井は今シーズン初めての90分フル出場となった。
「結果から遠ざかってたので、今日は何としてもモノにしたいと思っていて。そう言った中でゴールもアシストも取れたというのは個人的にもいい試合になった」と殊勲のスコアラーは語る。
ラスト15分で札幌のパワープレーに屈して2点を失ったのは反省材料だが、リーグ戦では実に7試合ぶりとなる勝利に貢献できたことに、倍井は安堵の表情を浮かべた。
実は3-3で引き分けた前節のアウェイ・今治戦、過密日程が続く中で、倍井は今シーズンのリーグ戦で初めてベンチスタートとなった。
3-1から2点を追いつかれた後半の途中に投入された倍井だが、チームに勝利をもたらす仕事ができないままタイムアップの笛を聞いた。
「正直めちゃくちゃ悔しかったですし、やっぱりああいう試合をモノにできないというのはちょっと落胆した部分があったんですけど。ただ、連戦なので、そんなこと言ってられなかった」
そこから中2日という厳しい状況で、倍井はフル稼働で結果を出し、チームの勝利を引き寄せた。
ゲーム終了後の彼は「僕個人だけじゃなくて、みんなこの試合にかける思いは強かったと思うし、チームを鼓舞する声がスムーズに出ていたと思うので。みんな本当に良かったと思います」と前置きする。
その上で、「1回のこんなので満足してるようではダメだと思いますし、これを継続してやって行かないと、もっともっと自分の成長は高いところを目標にしてるので。自分にプレッシャーをかけながらやっていきたい」と前を向いた。
チームの勝利とともに、ようやく長いトンネルを抜けた気鋭のアタッカーが、ここからどういう成長曲線を描いていくのか。右肩上がりで、全てうまく行けば理想だけど、苦しんだからこそ、それが糧になって次につながるはず。そう聞くと倍井は「て、言いたいです」と笑顔で答えた。
(取材・文:河治良幸)
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