FW：遠野大弥（とおの・だいや）

生年月日：1999年3月14日
デビュークラブ：Honda FC
J1デビュークラブ：川崎フロンターレ
現所属クラブ：横浜F・マリノス（J1）

　遠野大弥のキャリアシートの先頭には、入団ではなく“入社”の文字が刻まれている。左右両足の強烈なシュートが持ち味のアタッカーは、2025シーズンから横浜F・マリノスでプレーしているが、サッカー人生のスタート時点では1人の会社員だった。

　遠野に最初にオファーを送ったのは、日本フットボールリーグ（JFL）所属のHonda FCだった。2017年2月に加入が決定すると、ホンダの自動車製造工場で勤務しながらサッカーへと打ち込む日々に明け暮れる。遠野は在籍3シーズンの間にリーグ戦62試合で18得点10アシストをマーク。クラブの4連覇に貢献し、2019年のJFLベストイレブンに選出された。

　JFLからジャンプアップを果たしたのは2020年1月。この年にJ1王者となる川崎フロンターレに完全移籍した。

　加入直後の2020年2月にはアビスパ福岡へと期限付き移籍し、まずはJ2リーグで力試しをすることになった。川崎に復帰したのは翌2021シーズンのことで、ついにトップカテゴリーに立った。

　福岡にJ1昇格という置き土産を残してのJ1王者加入だった。作業着姿で車の部品製造ラインに立っていた男は、こうして日本サッカー界最高峰の舞台に辿り着いたのである。