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Jリーグ 7か月前

「ますます難しくなる」ファジアーノ岡山の内部から聞こえる声。「ルカオだけに頼ることはできない」【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

「相手は今や彼に張りつくようになっていて…」

 ファジアーノ岡山の背番号99——まさにぴったりな背番号であり、191cmのストライカーをマークするのは、まるで2人の「9番」と同時にマッチアップしているかのように感じられることもしばしばだ。今季はまだ2ゴール1アシストしか記録しておらず、チームも4試合連続で無得点に終わっているが、相手ディフェンスに引き起こすパニックによって、今季これまでのJ1で最も影響力のある選手の一人となっている。

 ファジアーノの唯一の突進型ストライカーであるルカオの存在によって、ディフェンダーたちは常に警戒を怠ることが許されない。多くの場合、彼を背後に抜け出させて大きな被害を与えないようにするために、2人から3人がかりで対応しなければならない。

「誰もが知っているように、僕らは基本的に前線のビッグマン、ルカオを狙っている」と、ファジアーノが0-2で敗れた先週土曜の柏レイソル戦後に、GKのスベンド・ブローダーセンは語った。

「でも、相手は今や彼に張りつくようになっていて、時には3人がかりのこともある ——彼が3人相手に勝てるはずがない。そして、僕らがセカンドボールを拾えなければ…。もしこのまま続けるなら、すべての相手にとって守るのが簡単になってしまい、チャンスを作るのがますます難しくなると思う」

「僕らは完全にスタイルを変えて、柏のようにプレーする必要はないが、すべての選手が心の中にボールを持ちたい、スペースに走り込みたいという感覚を持たなければならない。ボール保持者にオプションを与えるために ——そしてそのオプションが、ビッグマンに渡すことだけにならないように。最近の試合では、これが非常に欠けていたと感じる」

 柏の田中隼人は、先週の三協フロンテア柏スタジアムでルカオを抑える役割を担った1人だった。V・ファーレン長崎にレンタルされていた昨季、J2で2度ルカオと対戦しており、1試合は0-0、もう1試合はルカオのヘディング弾で0-1で敗れている。21歳の田中は、知性と力強さの両方を求められることをよく理解していた。

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