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Jリーグ 1か月前

「悔しい思いも…」浦和レッズ、髙橋利樹は“待ち望んだ日”に何を思った。「優勝争いをするためには…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 photo by Getty Images

「プロとして当たり前」「まだまだ60点ぐらい」

「去年、横浜FCでも経験をしましたが、負けないことが本当に大事。優勝争いをするためには勝ち点を1つでも多く積み上げることが大事。勝てれば良かったが、こういう試合を引き分けに持ち込んでいる。チーム力が上がっていると思います」

 その髙橋は59分で松尾佑介と交代となったが、試合を振り返り「前半は相手がボールを持つ中で点を獲れたことは大きかったのですが、前半の終わりに失点してしまった。やはり前半の終わり方は大事だったので、そこは改善したい」とコメントしている。

 そして「チームとしての狙いもありましたが、自分が起点になることを意識しましたし、チャンスは多くなかったのですが、シュートを決めることや得点に関わることを増やしていきたいと思います」と続けた。

 献身的なプレーでチームに活力を与えたが「まだまだ60点ぐらいの出来です」と自己評価をすると、マチェイ・スコルジャ監督は「後半の早いタイミングで交代を行いましたが、それは利樹や翔哉が悪かったからではなく、クラブワールドカップ(CWC)の前にチェックしたいセットがあった」と交代理由を明かした。

 そして「利樹は、チアゴ(・サンタナ)に近いタイプだと思いますが、そのチアゴ自身がクラブワールドカップに間に合うかどうか、まだはっきりと分かりません。それを考えたとき、利樹の準備も進めないといけないと思いました。そして本日は、非常に良いゲームをプレーしてくれたと思います」と称えた。

 試合から遠ざかり、ここまで出場した2試合のプレータイムは合計32分。そして3試合目の出場で初先発。自分に矢印を向けトレーニングを続けた。

「腐らずやるのはプロとして当たり前。試合に出られない期間もあり、たくさん悔しい思いもしました。だからこそ結果を残したかった」と率直な思いを口にする。

 現在、浦和の1トップには松尾が戦術的にもフィットし好調であることから、先発の座を奪うためには、さらに存在感を増していくことが求められる。

「このチームでは、結果を残さないと生き残れません。そこは求めていきたい。この日が次につながっていけばいいと思っています」

 強い決意を胸に秘め、浦和の背番号18はこの先の戦いに身を投じていく。

(取材・文:石田達也)

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【了】
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