「連敗中よりだいぶ良くなった」。改善されつつある部分
川辺は「すごく整理された部分が多いと思いますし、今まではみんなもちろん頑張ってたけど、上手く噛み合ってないシーンが多かった。バランスも良くなかった。自分を含めて、全員がバランスと裏を狙う意識の調整というか、そういう部分が連敗中よりだいぶ良くなったと思います」と語るが、特にFC東京戦では攻守両面で噛み合っていたように見られる。その中で川辺が果たす役割も大きい。
FC東京は広島と同じ3-4-2-1で、システムだけ見ればいわゆるミラーゲームだが、全体を通して広島が相手のストロングを上手く消して、攻撃では立ち位置、動き出し、デュエルなどで上回るシーンが多かった。
3バックの中央を担う荒木は「攻守両面でコンパクトにすることをチームとして実行できてるかなと思います」と主張するが、守備面ではマンツーマンをベースとしながらもボールに関わっていない選手たちが全体を圧縮しながら、素早いカバーリングやセカンドボールの回収に結び付けている。FC東京が個人のところで上回るシーンはあっても、そこから連続性のある攻撃に繋げられなかった要因だ。
川辺は「相手のボランチの選手がボールを引き出しに降りて行ったので、付いて行く場面と行かない場面で難しかったですけど、付いていきつつ、1タッチで背後だったり、相手のシャドーに使われるシーンでも、戻るスピードが自分たちのほうが良かった」と振り返る。
どちらかといえば相棒の東俊希が前に出て、川辺がアンカー気味に、対面する小泉慶の出どころなどを抑える役割だったが、同時にFC東京の強みである2シャドーの遠藤渓太と俵積田晃太の動きを3バックと共有しながら封じ、多くの場面でボールを回収した。
一方の攻撃面についてはどうだったのだろうか。
