フットボールチャンネル

Jリーグ 2週間前

まさしく再覚醒。今の川辺駿には「背番号6」が似合う。サンフレッチェ広島は「意識の調整」で再浮上する【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

相次ぐ怪我人が出るチームを支える背番号6

「ウイングだったりで時間を作れるし、1対1もある程度、競り合いを含めて勝ってたと思う。時間だったり、相手のプレッシャーの抜け道というところで上回れた」

 そう川辺も認めるように、中盤の立ち位置で優勢を取るだけでなく、ジャーメインのポストプレーに加えて、ウイングバックの中野就斗と新井直人のデュエルの強さを生かしながら、川辺や東が前向きに受けて、シャドーの加藤や後半に投入された中村を走らせることができていた。

 そうした流れに乗る形で2-0とした後半途中、FC東京側がシステムを4-4-2にして、広島と立ち位置のズレを起こしてきた。川辺は「少し後手を踏むというか、ボールにプレッシャーかけられなくなりましたけど、その時点で2-0だったので。そんなに慌てることなく、3バックがスライドしながら、一番危険なところを押さえてくれたなと。そんなに怖いシーンは多くなかった」と語る。中盤のところでは川辺が途中投入された東慶悟をしっかりとチェックして、上手く起点を作らせなかった。

 中島洋太朗やトルガイ・アルスランなど、主力の離脱も多かった中で、チームが苦しい時期も川辺はリーグ戦全ての試合にスタメン出場、その多くを90分フル出場するなど、ハードワークを続けてきた。そのスタンスは変わらないが、ようやくチームとしてのバランスがよくなり、持ち前の“決め手”を効果的に繰り出せるようになっている。

 まさしく再覚醒。昨夏に欧州から帰ってきた川辺は今シーズン、現役引退した青山敏弘から6番を受け継いだが、心身ともに栄光の“ナンバーシックス”の似合う存在になってきている。

(取材・文:河治良幸)

【関連記事】
2025年 J1順位予想1〜10位
Jリーグ、アクセス悪いスタジアム1〜10位
【最新順位表】2025明治安田J1リーグ


【了】

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!