「本当に悩みました」FC町田ゼルビアを離れてセレッソ大阪へ
「当時のJ2が年間42試合だったので、すべて出るという意気込みを込めて『42』に変えました」
2020シーズンも新加入の秋元陽太が主戦を担い、福井のリーグ戦出場は13試合にとどまった。2021シーズンには全42試合にフルタイム出場を果たしたが、2022シーズンにはポープ・ウィリアムが加入。福井は28試合に出場しているが、ゴールキーパーではまずありえない、怪我以外での途中交代を3度も経験した。
町田がJ2を制し、悲願のJ1昇格を果たした2023シーズンは、夏場以降の戦いでウィリアムからポジションを奪回。昇格を決めた10月22日のロアッソ熊本戦ではクリーンシート達成で花を添えた。しかし、昨シーズンは日本代表経験もある谷晃生が加入。福井のJ1リーグ出場は2試合にとどまっている。
ゴールマウスを守ったのは、谷の一発退場に伴ってスクランブル出場した4月7日の川崎フロンターレ戦と、谷が出場停止となった同13日のヴィッセル神戸戦。西川が守護神を担う浦和戦は、ホーム、アウェイともリザーブだった。迎えた昨シーズンのオフ。セレッソから望外のオファーが届いた。
「慣れ親しんだ町田も好きでしたし、町田で守護神になりたい思いもあったので本当に悩みましたけど、人としてもサッカー選手としても移籍すればもうひと皮むけられると思い、移籍を決断しました」
熟慮を重ねた末にセレッソへ加入した福井は、6シーズンぶりにキーパーの象徴でもある「1」を背負った。ただ、セレッソには元韓国代表GKで、J1通算422試合出場を誇る名手キム・ジンヒョンがいた。開幕から6戦続けてリザーブに名を連ねた福井に、転機が訪れたのは3月28日の第7節だった。