「歩んできた道は間違っていなかった」
「普段の練習からぶれずにやれれば、こうしてチャンスをいただいたときに自分の力を発揮できると僕はずっと信じてきました。何をもって努力というのかは自分ではわからないですけど、現状を評価していただいているのであれば、自分が歩んできた道は間違っていなかったと自負できると思っています」
左足を駆使したフィードにもともと自信をもっていた福井は、西川から受けた衝撃を、シュートストップにとことん磨きをかける決意に変えた。西川の目の前で何度も演じたスーパーセーブには、10年間のすべてが凝縮されていた。それでも、戦いはまだまだ続く。自らに言い聞かせるように福井が言う。
「目の前の1試合1試合に気を抜かずに最善の準備をして、後悔しないようにしていきたい」
後半には西川もビッグセーブを連発して、福井を「お互いに称賛しあった感じですね」と笑わせた。11月に30歳になる福井の自宅には、3月の対戦後に西川と交換した浦和のユニフォームが大事に飾られている。それを見るたびに福井は自身の原点と、これから歩んでいくキャリアへの決意を新たにしていく。
(取材・文:藤江直人)
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