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Jリーグ 6か月前

「100%になることはないんで」鹿島アントラーズ、濃野公人は孤独な離脱期間を回想する「自分のことでいっぱい」【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「100%になることはない」

「まだ万全ではないですけど、100%になることはないんで」

 2か月間にわたって離脱することになった原因は、右膝にあった。

 ルーキーイヤーの昨季、濃野は右サイドバックながら9得点を挙げる活躍を見せ、そのアグレッシブなプレースタイルは異彩を放っていた。しかし、9月28日、アウェイの湘南ベルマーレ戦で右膝外側半月板を損傷する重傷を負い、長期離脱を余儀なくされ、一足先にシーズンを終えた。

「3か月サッカーできないのがサッカー人生で初めてだったので」

 1月の宮崎キャンプで濃野はそう言っていた。焦りはあるが、それを押し殺すように「楽観視しながら頑張りたい」と話していた。昨季終盤の離脱していた期間は自分を見つめ直す期間に充てた。

「自分に足りないものは何なのかをしっかり見つめ直す3か月になったので、自己分析できるようになった。それをふまえてやっぱりサッカー選手は試合に出てナンボだと気付かされた」

 今季の開幕節は新加入の小池龍太に右サイドバック(SB)の先発の座を譲ったが、2節以降は小池と縦関係を築く形に落ち着いた。スタートは小池が右MF、濃野が右SBという形でも、試合状況に応じて立ち位置を入れ替えることで、両者の良さを最大化。チームはそこから6戦無敗の5勝1分と上昇気流に乗っていた。

 得点こそなかったが濃野は課題に挙げていた守備面でも成長の跡を見せていた。しかし、4月に再び同じ箇所を痛めてしまう。

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