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Jリーグ 6か月前

「自分みたいな選手が…」その悔しさが溝口修平を成長させる。鹿島アントラーズの21歳は前半交代をどう受け止めたか【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「もっとうまいやり方があった」溝口修平は自戒の念を込めて反省点をあげる

「相手のスカウティングで、他のチームに対してもそこにロングボールを蹴ってきていたので」

 溝口の言う「そこ」とは、もちろん望月の高さを指す。迎えた6分。守護神・谷晃生のゴールキックで試合を再開させた町田は、またしても右タッチライン際の望月を狙ってロングボールを蹴ってきた。

 しかし、ここで鹿島の対応でミスが起こってしまう。自戒の念を込めて溝口が反省点をあげる。

「狙ってくるのがわかっていたなかで、2人が同時にいってしまった。別のやり方もあったというか、ちょっともったいなかった。競り勝つのはなかなか難しいとしても、自分のところでもう少し相手のヘディングを遠くまで飛ばせないような体の当て方をするとか、もっとうまいやり方があったと思っています」

 宙を舞う望月と競り合おうと、溝口とキムが同時に反応してしまった。溝口には試合序盤に何度も狙わせてなるものかという意地が、キムには身長差をカバーしなければいけないという危機感があった。

 最終的には溝口が空中戦を挑んだ。望月の自由を奪おうと、空中で体を接触させるも相手は動じない。望月の頭を経由したボールは、今度は左方向へ、町田陣内の中央へ弾んだ。キムがカバーするには、あまりにも距離が離れすぎていた。ボランチの樋口雄太が必死に戻ってきた矢先に、またもやミスが起こった。

 藤尾がポジションを下げながらボールに迫り、さらに右サイドバックの小池龍太も藤尾を追ってくる。3者が交錯しそうな状況で、何とか樋口が先に触ったボールは味方が誰もいない左サイドへ。こぼれ球を拾ったMF林幸多郎のラストパスを、相馬が左足で落ち着いてゴール左上へ流し込んだ。

 流れを町田に引き寄せる大きな先制点。34分にスローインの流れからDF岡村大八が追加点を決め、守っては85分の鈴木のPKだけに封じて勝利した一戦を、望月は期する思いがあったと明かしている。

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