対照的だった前線カルテット。現在のマリノスは信じられないほど…
今季すでに2度の監督交代を行っているが、どちらからも好転の兆しは見つけられていない。4月にスティーブ・ホランドの後任としてパトリック・キスノーボが就任した直後は、浦和レッズに1-3で敗れた。そして、キスノーボの後任として指揮を執った大島秀夫も、同様に苦しいスタートを切っている。
5月末には鹿島アントラーズ戦と町田ゼルビア戦に連勝して、状況が好転したかのように見えたが、それは偽りの夜明けだった。以降、ファジアーノ岡山戦、アルビレックス新潟戦、そして今回のFC東京戦と3連敗を喫し、その間にマリノスは1点も奪えていない。
現在のマリノスは、信じられないほど活気がなく、自信もアイディアも欠如しているように見える。5試合未勝利だったFC東京に、ほとんど苦もなく押し切られた。
マリノスの先発攻撃陣である天野純、ヤン・マテウス、アンデルソン・ロペス、エウベルは、試合前までに650試合以上のJリーグ出場経験を誇っていた。しかし、その経験が良い方向に作用するどころか、プレーは非常に予測可能なものになっており、特にロペスは、近年の得点マシンとはまるで別人のようだった。
一方、FC東京の前線カルテットは好対照の姿を見せた。日産スタジアムで2点目を決めた佐藤恵允と3点目を決めた長倉幹樹、野澤零温、仲川輝人の4人は、合わせてわずか375試合――そのうち249試合は仲川によるもの――の出場経験しかなかった。
そのため、FC東京のプレーにはフレッシュさと活気があり、マリノスにはそれがまったく見られなかった。かつてタイトル争いをしていた選手たちが、今は降格圏という全く異なるプレッシャーに対処できずにいるようだった。
デンはこう話す。