「外からの雑音やプレッシャーもある」
「ここにいる多くの選手が、下位に沈んで毎週必死に戦うような状況を経験したことがない。外からの雑音やプレッシャーもある。簡単な状況ではない。でも、まだ希望はある。ポジティブに考え続けるしかない」
「ファンの期待も大きく、そして彼らは素晴らしい応援をしてくれている。だからこそ、団結して戦い続けなければならない」
現在マリノスの状況は厳しいが、一方で長友はFC東京の勝利に浮かれることもなかった。これまでのシーズンを通じてチームが好調とは言えず、現在も16位にとどまっていることから、試合後は当然ながら慎重な姿勢を貫いていた。
「いや。自信にはならない」と彼は言った。
「次の試合に勝てなければ意味がない――まあ、意味がないことはないんですけどね。これで満足していたら危ない状況になるという危機感の方が大きい」
「中2日でまたフィジカルコンディションを整えて、もう1回気持ちを引き締めて次の試合に臨みたいと思います」
松橋監督もまた、この勝利に過剰な評価を避けていた。なぜなら、東京は今季、連勝を記録したのは一度だけだったからだ。
「油断することはなく、我々の置かれている立場が劇的に変わったわけではない」と、試合後に松橋監督は語った。
「それを見つめながら、短い準備期間ですけれど、できることを積み上げて、今回の自信を次の試合に持っていきたいと思います」
FC東京は、マリノスのご近所かつ同じく残留争いを繰り広げる横浜FCとの対戦を控える。そしてマリノスは、これまた下位に苦しむ湘南ベルマーレとのアウェイゲームに臨む。
Jリーグでは、まだまだ多くの試合が残されており、何が起こるかは誰にもわからない。しかし、この週末の結果が、東京とマリノスの今後のシーズン展開を大きく左右することになりそうだ。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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