「ディフェンスラインが1回止まったように僕には見えた」
18分の鹿島の先制点も非常にいい形だった。中盤の三竿健斗から舩橋佑を経由し、小池龍太にボールが渡った瞬間、鈴木優磨が巧みな動き出しから斜めにゴール前に侵入。右足を振り抜いたのだ。このシュートは左ポストに当たってネットを揺らすことに成功。敵将の木山隆之監督も「キレイなゴールを許してしまった。真ん中を割られたので悔しい思いはある」と苦渋の表情を浮かべていた。
この流れで前半のうちに追加点を奪えればよかったが、レオ・セアラやチャヴリッチがあと一歩、ゴールに迫り切れず、1−0で折り返すことになった。それでも前半の内容を見ていれば、鹿島がひっくり返されることはあり得ない…。そんな感想を抱いた人々も少なくなかったのではないか。
しかしながら、サッカーというのは”まさか”が頻繁に起きる競技。後半に入ると、岡山が一気にギアを上げてきて、瞬く間にゴールを浴びてしまったのだ。
スタートは相手GKのスベンド・ブローダーセンからのつなぎだった。中盤を経由し、右の柳貴博から右サイドに開いたルカオへタテパスが通ると、彼は思い切りクロスを中に蹴り込んだ。その瞬間、左サイドから江坂任が飛び込んできて、フリーでシュートを決められ、50分に同点に追いつかれたのだ。
「相手の背後への飛び出しに対して、(鹿島の)ディフェンスラインが1回止まったように僕には見えた。それでワンテンポ遅れたのと、バイタルエリアのスペースを消し切れなかった」と失点に絡んだ三竿は悔やんだ。