「ここで終わるだけじゃない選手になりたい」
「あのシュートはうまかったですけど、打つっていう気持ちと自信さえあれば打てると思うので。日頃の練習からですけどチャレンジして、周りのみんなが打っても可能性があるって思ってもらえるような雰囲気とか、そういうものを日々作っていければ」と武田は主張する。
もちろん前線や周りの選手が良いポジションを取っていれば、そうした選手をうまく使っていくのはボランチの役割だが、チャンスがあればゴールを狙うという意識を持っていることで、相手に怖さを与えることができる。もちろん、前線や周りに仲間の選手がいる中で、そうしたプレーには責任が伴う。
武田は「それでも打つというのはすごい自信だと思いますし、相手からしても打ってくると思ってないところなので。自分もそういうチャレンジができればいいかなと思います」と語る。
正直、世界の大舞台に立ちたかった気持ちもあるという武田だが、何度も期限付き移籍を繰り返して、戻った浦和でポジションを取れなかったところから、完全移籍という形で地元の仙台に加入したことには強い覚悟がある。磐田には結果的に勝利できたが、そうした“6ポインター”はもちろん、他会場でジェフ千葉が監督交代して間もないカターレ富山に敗れたように、難しい試合が続く。
「1を3にとか、0を1にする戦い」と武田も認めるここからの戦いで、どれだけチームに勝ち点をもたらす仕事ができるか。浦和の世界での戦いを観ながら「ここで終わるだけじゃない選手になりたい」という思いを改めた武田が、中盤の要を担いながら目に見える結果で、仙台を5シーズンぶりのJ1に導くことができるか。その先にこそ、アンダー世代から将来を嘱望されてきた23歳のレフティーの飛躍はある。
(取材・文:河治良幸)
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