迷いはない。エウベルと天野純が見せていた姿勢
「2人とも力がある選手というのはわかっているし、練習でも質の高いプレーを見せ続けていたので起用に迷いはありませんでした。正直、どのタイミングで交代させようかとは考えていましたが、彼らのピッチ上の姿勢や意欲を見て、自分のなかで『まだやってくれる』と感じていました」
しかし、山根の縦パスが今度は湘南のMF平岡大陽にわたってしまう。平岡から茨田をへてパスを受けた湘南のキャプテン、FW鈴木章斗が右サイドからファーへ送ったクロスへ、長い距離を駆けあがってきた平岡がダイビングヘッドを一閃。守護神・朴一圭が一歩も動けない一撃をゴール右隅へ決められた。
「サッカーにミスはつきものですけど、ああいったミスを減らしていかないと勝利には届かない」
渡邊、自身、そして山根と重なった細かいミスを反省しながらも、天野は6月最後の一戦でようやく生まれた新体制での初ゴールに「解放された感じです」と、これがきっかけになると前を向いた。
「いい流れで試合を運べていたし、やり続ければ点は取れると思っていたので、そこまでの焦りはなかったですね。実際、監督が代わってからはチャンスも多く作れていたので、ここから取りはじめるのかな、と」
FC東京戦では55分にFW遠野大弥と交代した。しかし、チーム最多の5ゴールをマークしている遠野が終了間際に負傷退場。湘南戦から一夜明けた29日に、右アキレス腱断裂の大怪我を負い、27日に神奈川県内の病院で手術を受けたと発表された。全治6カ月の見込みと合わせて発表されている。
日本代表の活動に伴い、リーグ戦が中断されていた6月上旬には、3ゴールをあげているFW植中朝日も負傷離脱。詳細は発表されていないものの、これからもブラジル人トリオを最前線に配置していく場合、後方のポジションを担える選手として、天野の存在がひときわクローズアップされてくる。
FC東京戦から中2日の過密スケジュールに、天野は「試合前は大丈夫かなと思いましたけど、実際に試合が始まったら割と体が動く感じがありました」と問題なしを強調しながら、こんな言葉を紡いだ。