9位:清水エスパルス
移籍補償金等収入:5億1400万円
退団した選手例:原輝綺、オ・セフン、白崎凌兵など
2023〜2024シーズンまでの2年間、J2で戦っていた清水エスパルスが今回のランキングで9位に入った。『Transfermarkt』を参照する限りでは、同クラブが移籍金収入として得た5億1400万円は、国内市場の取引によるもののようだ。
2025シーズン開幕前、前年からレンタルでFC町田ゼルビアに所属していた白崎凌兵とオ・セフンの契約が完全移籍に切り替わり、補償金が発生。原輝綺を名古屋グランパスに売却するなど、それまで印象的な活躍を見せていた選手を放出した。
しかし戦力ダウンの様子はなく、J2を戦い抜いたチームには地力の高さが備わっており、新加入選手も上手く合流できている。特に2024シーズンの途中に町田からローンで加入した宇野禅斗は引き続き高いクオリティを見せており、今年7月にはサッカー日本代表にまで辿り着いた。
彼に関する取引だけでも、今冬の移籍市場における同クラブの働きは巧みだったと言えよう。町田との交渉は、やや清水側に利があったのではないだろうか。
そして何より強調すべきポイントは、カテゴリーを下げても予算規模が変わらなかったことだ。J1で戦った2022年度の売上が50.87億円、J2に降格した2023年が51.01億円、そして2024年が50.03億円で推移している。クラブの企業努力とサッカー王国の情熱が実を結んだ結果、J2では規格外の経営規模を維持できた。
諸々の戦略が功を奏し、2024年度決算時の清水の純資産は前年比でわずかに増えている。今季はJ1で奮闘しているが、昨シーズンからの経営マネジメントこそ評価されるべきかもしれない。
