「悪い意味で慣れちゃっているのかな」
ただ、そうなると、どうしてもゴール数は伸び悩む。欧州組のフルメンバーが揃う9月以降の日本代表活動参戦を目論む彼としても、数字を伸ばせず、強烈なインパクトを残せないという苦境に直面することになってしまうのだ。
「代表から帰ってきた後の数試合は、判断スピードとかがだいぶ速くなっているなと自分の中でも感じましたけど、だんだん時間が経ってしまうと悪い意味で慣れちゃっているのかなと。そこは自分がもう1つ、ギアを上げていかないといけないなと感じます。
得点に関しても、1試合に1本、来るか来ないかというチャンスに賭けて、ネットを揺らせるかどうかという精度を上げていくしかない。広島では自分が下がって体を張ってチャンスメークして、ゴール前に入り切る前にクロスが上がっちゃうことも結構ある。もう少し周りと呼吸を合わせて、点を取る意識を高めていかないといけないかなとも思います」とジャーメインは現状を変えるべく、少しずつトライしていく覚悟だ。
広島にしても、彼に点を取らせる形を突き詰めていった方が、得点力不足の課題克服につながるのは間違いない。今は今季5点の中村草太が引っ張る構図になっているが、J1を含めて複数のタイトルを狙おうと思うなら、複数の得点源がないと難しい。
ジャーメインにはE-1で示した通り、圧倒的な得点能力がある。それを生かさなければ本当にもったいない。ここから超過密日程となる中、トレーニングですり合わせをしていく時間はなかなか取れないが、それをやっていくしかないのだ。
相馬勇紀(FC町田ゼルビア)とジャーメインは共闘して数日であれだけのホットラインを形成できた。ならば、広島のチームメートともできないはずがない。左ウイングバックの東俊希や新井との関係を密にすべく、背番号9には率先して要求していってほしいものである。
(取材・文:元川悦子)
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