「もっと実力で勝っていかないと」
「神戸戦こそあまりなかったけど、ヴェルディ戦を含めて決定機をかなり作られていました。運で勝ってきたところも大きいというか、運もすごく大事ですけど、もっと実力で勝っていかないと、これから先にもっともっと厳しい試合が待っているので。そこはチーム全員がしっかりと噛みしめないといけない」
チームの原点に戻ったマリノス戦では、決定機をほとんど作らせなかった。唯一、冷や汗をかいたのは後半アディショナルタイム。松村晃助のクロスが昌子に当たってコースが変わり、谷も反応できないまま左ポストに命中。自軍のゴール前に弾んだボールを、菊池がとっさにクリアして難を逃れた。
試合後のロッカールーム。クリーンシートでのドローを「運動量を落とさずに、最後まで奮闘してくれた」とポジティブに評価した黒田監督の言葉が、自らへダメ出ししていた菊池の心に再び火をつけた。
「連勝は止まっちゃいましたけど、神戸のときも勝てなかった時期がありましたし、引き分けで獲得した勝ち点1が最後になってすごく重要になってくるのは僕も経験しているので」
一夜明けた24日にはFC東京に大勝した京都が首位を奪い返し、町田は暫定3位に後退した。状況は勝ち点わずか2ポイントのなかに実に6チームがひしめき合う未曾有の大混戦と化し、町田の残り10試合にはすべて敵地で京都、広島、柏レイソルと上位陣との直接対決が含まれている。
「ここから今度は10連勝します。これは絶対にマストです」
再びチームの合言葉になれ、という熱い思いを込めて菊池が新たな目標をぶち上げた。怪我による長期の戦線離脱で、仲間たちに迷惑をかけた前半戦の借りを返したいと望む「盛り上げ隊長」の視線の先にはリーグ戦だけでなく、27日に鹿島との準々決勝が待つ天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会、そして町田が初めて臨むACLEを含めて、攻守でフル回転していく自身の姿が描かれている。
(取材・文:藤江直人)
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