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Jリーグ 7年前

【YOUはどうしてJリーグに?:特別編】元鳥栖MFキム・ミヌが過ごしたJリーグでの7年間。W杯への思い、別れの手紙の真相

Jリーグにおける外国籍選手といえば、ブラジル人や韓国人のイメージが強い。しかし、近年その傾向は弱まり、ヨーロッパからも多くの選手が日本でのプレーを選ぶようになった。彼らはどんな思いを胸にJリーグのピッチに立っているのだろうか。普段はブラジル人と韓国人以外の外国人Jリーガーを取り上げる本連載だが、今回は特別編として、韓国出身ながらサガン鳥栖で7年間プレーしたキム・ミヌの独占インタビューをお届けする(不定期連載です)。(取材・文:舩木渉【水原】、取材日:2017年5月23日)

シリーズ:YOUはどうしてJリーグに? text by 舩木渉 photo by Getty Images, Wataru Funaki

きつかった1年目…それでも「鳥栖に移籍してよかった」

キム・ミヌ
キム・ミヌは2009年のU-20W杯で4試合3得点と活躍(写真)。約半年後にサガン鳥栖加入を果たした【写真:Getty Images】

ーー今日は時間を作っていただきありがとうございます。もうすぐ日本を離れて半年になりますね。鳥栖が恋しくなることはありませんか?

 懐かしいですね。サガン鳥栖は僕の頭の中に常に入っているし、たまにサガン鳥栖のときの選手やみんなとも連絡をとっています。最初は寂しさを感じたんですけど、水原に来て忙しかったので、それはだんだんなくなってきました。

ーー初めてJリーグでプレーしたのはもう7年前です。サガン鳥栖移籍が決まったのは、無断でオランダにテストを受けに行って大学を退学になったことがきっかけでしたよね。当時のことは思い出せますか?

 ちょうどU-20W杯が終わってすぐでした。いま韓国でU-20W杯をやっているので、その時の思いも最近また思い出して、いろいろ考えています。サガン鳥栖へ初めて行った時は僕自身本当に若かったですね。その前にPSVのテストを無断で受けに行ったことも、よく考えたら僕の考え方が若かった。僕はその時、日本でプレーするとは思っていませんでした。チャンスがたまたまうまくきたので、いま考えたらサガン鳥栖に移籍してよかったと思います。

ーーその当時、日本のサッカーにどんな印象をお持ちでしたか?

 今みたいにインターネットもそこまで発展していなかったので、正直あまりJリーグを見る機会がありませんでした。ほとんど何も知らないまま日本に行きましたね。

ーー最初の頃は病気になったこともあったそうですね。やはり慣れない土地での生活は大変でしたか?

 1年目は本当にきつかったです。練習もきつかったし、僕がサッカーをやっていて、今までで一番きつかったかもしれません。甲状腺機能亢進症がわかった時はとにかく休まなければいけませんでした。いま考えたら、若い時にそういう辛い経験したのはよかったと思います。

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