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時代の終焉か? “バルサであること”に失敗したチームの未来

CL準決勝、バイエルンに大敗したバルサ。この敗戦は近年のヨーロッパで最も成功を収めてきたバルサ時代の終焉を予感させるものだった。完璧でなければ強さを維持できないバルサというチームの難しさとは?

text by 西部謙司 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

自壊していたバイエルン戦

時代の終焉か? “バルサであること”に失敗したチームの未来
【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 0-4、0-3というショッキングな結果に終わったCL準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦、内容的にもバルセロナ時代の終焉を思わせるものだった。しかし、このままバルサが一気に衰退するとは考えにくい。少なくとも理屈の上では。

 バイエルン戦の大敗は、相手が強かったということが1つある。ゲームは常に相対的なものだ。ただ、それ以上にバルサ自身のプレーが低調すぎた。大敗の要因としては、こちらの方が大きいと思う。では、何が低調の原因だったのか。

 まず、欠場者の続出は大きかった。プジョル、マスチェラーノが負傷し、第1レグではアドリアーノ、第2レグではジョルディ・アルバが相次いで出場停止となった。ピケと組むCBは2試合とも経験の浅いバルトラ。CBの序列からすれば5番目か6番目の選手である。

 第2レグではブスケツが欠場だった。こちらの穴はより決定的で、この点については後述する。さらに頼みの綱のメッシもプレーできる状態ではなかった。

 これだけ主力メンバーに欠員が出てしまえば、バイエルンに対抗するのは難しい。しかし、試合後にビラノバ監督が話していたように、メンバーが揃えば元のレベルに回復できるとも考えられる。バイエルン戦での低調なプレーぶりは一時的なものにすぎず、あの低調ぶりが今後も続くわけではない、つまりバルサが一気に衰退することはない、確かに理屈の上ではそうなのだ。

 しかし、悲観的に見ればそうではないかもしれない。

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