自壊していたバイエルン戦
0-4、0-3というショッキングな結果に終わったCL準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦、内容的にもバルセロナ時代の終焉を思わせるものだった。しかし、このままバルサが一気に衰退するとは考えにくい。少なくとも理屈の上では。
バイエルン戦の大敗は、相手が強かったということが1つある。ゲームは常に相対的なものだ。ただ、それ以上にバルサ自身のプレーが低調すぎた。大敗の要因としては、こちらの方が大きいと思う。では、何が低調の原因だったのか。
まず、欠場者の続出は大きかった。プジョル、マスチェラーノが負傷し、第1レグではアドリアーノ、第2レグではジョルディ・アルバが相次いで出場停止となった。ピケと組むCBは2試合とも経験の浅いバルトラ。CBの序列からすれば5番目か6番目の選手である。
第2レグではブスケツが欠場だった。こちらの穴はより決定的で、この点については後述する。さらに頼みの綱のメッシもプレーできる状態ではなかった。
これだけ主力メンバーに欠員が出てしまえば、バイエルンに対抗するのは難しい。しかし、試合後にビラノバ監督が話していたように、メンバーが揃えば元のレベルに回復できるとも考えられる。バイエルン戦での低調なプレーぶりは一時的なものにすぎず、あの低調ぶりが今後も続くわけではない、つまりバルサが一気に衰退することはない、確かに理屈の上ではそうなのだ。
しかし、悲観的に見ればそうではないかもしれない。
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