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「納得いってない」高井幸大は「個」の課題を感じていた。川崎フロンターレは「組織的な戦い方で」ACLE決勝を見据える

text by 編集部 photo by Getty Images

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川崎フロンターレDF高井幸大
【写真:Getty Images】

激闘を制した川崎フロンターレ。高井幸大が感じたのは…

 AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)準決勝が現地時間4月30日に行われ、川崎フロンターレはアル・ナスル(サウジアラビア)との激闘を3-2で制し、アジアの頂点にあと一歩と迫った。世界的スター選手を擁する強豪との一戦で、最終ラインを支えたのが20歳のDF高井幸大だ。

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 試合後のフラッシュインタビューで高井は「2失点しましたけど勝てて良かったです」と安堵の表情を見せた一方、高井の言葉には強い反省もにじんでいた。「正直、個のところではチーム全員負けていましたけど、日本人らしいというか組織的な戦い方で勝てたと思う」と語る。

 高井が感じた“個での敗北”とは何か。

 試合を振り返りながら彼は、「ボールを持たれた時間が長くて、もう少し自分たち選手の個が高かったら、もう少し前線からプレスをかけていけていたと思う」と分析。「1人で止められない場面がたくさんあって、1人が2人で見るような形が多くなり、前のタスクが増えてしまった」というように、全体が下がらざるを得ない状況に。個の能力が守り方に影響を与えていた。

 高い視座で戦況を見ていた。チーム最年少でパリ五輪に出場し、昨年からはサッカー日本代表にもコンスタントに選ばれるようになった。アジアや世界を肌で感じてきたからこそ、この舞台で活かせることがある。

「成長しなきゃいけないのは自分でも分かってるので」

 そう話す高井には、「自分にまだ足りないものがあると痛感した」というパリ五輪の記憶がある。

「オリンピック本戦だったり、予選での自分のパフォーマンスっていうのはすごく自分では納得行ってるところあるし、そこに立ち返る自分がいる」

 クリスティアーノ・ロナウドとのマッチアップでは「クロスの時も嫌な位置にいて、自分が触れれないような位置に毎回立たれた」と明かし、「(普段は)ヘディングで上から叩かれることもあまりないので、すごいなと思いました」と率直な驚きも語った。

 それでも、高井は試合の中でアジャストしていた。「近くにいたら相手を触らせないことと、触れない距離にいたら相手のことを確認して、その後はうまく対応できた」と手応えを感じていた。

 勝利という結果の中でも守備陣の要としての責任を自覚している。「2試合続いて2失点してしまって自分としては納得いってないし、チームとしても納得いってないと思う」と語り、「最後無失点で優勝できるようにしたい」と中2日で迎えるアル・アハリとの決勝を見据えた。

 「本当にみんながこのタイトルを取りたいっていう気持ちはあると思いますし、それは感じてます」と話す高井。世界的な名選手と渡り合う中で、自らを高めてきた若きDFは、アジア制覇に向けてまた一歩、確かな成長を遂げている。

(取材・文:加藤健一)
 
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【了】

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