フットボールチャンネル

日本代表 9年前

【現場記者の目】香川が掴んだ確固たる自信。久々に見せた“10番らしい”躍動感

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「僕らのエース」。太鼓判を押す長友

【現場記者の目】香川が掴んだ確固たる自信。久々に見せた“10番らしい”躍動感
香川の潜在能力の高さに太鼓判を押した長友佑都【写真:Getty Images】

 この1点を皮切りに、彼は水を得た魚のようなイキイキとしたパフォーマンスを披露。トップ下から前後左右に幅広く動いてチャンスメークに積極的に加わった。35分の森重真人(FC東京)の2点目も香川の左CKが起点になっていた。

 さらに後半開始早々の4分には、原口とのワンツーから左サイドの角度のないところに抜け出して自身2点目となるゴールをゲット。スコアを3-0とし、完全に勝利を決定づけた。

 後半30分過ぎに武藤と交代するまで、ボランチと絡んで相手を挟みに行ってボールを奪うなどアグレッシブさを前面に押し出し続けた香川は、ボルシア・ドルトムントのパフォーマンスそのままに、躍動感に満ち溢れていた。

「日本代表に来ると本来の力を出し切れない」とアルベルト・ザッケローニ監督時代から言われ続けてきた香川が、これほどの輝きを示したのは本当に久しぶりだ。2011年アジアカップ(カタール)の準々決勝・カタール戦、あるいは2013年コンフェデレーションズカップ・イタリア戦(レシフェ)以来と言ってもいいかもしれない。

 もちろん相手が格下のアフガニスタンではあったが、いい感覚を取り戻すというのはどんな相手でも重要。彼にとっては大きな転機になりそうだ。

 この5年間、後方からずっと彼をサポートし続けてきた長友佑都(インテル)は「僕は全く心配もしてなかった。あれだけ経験があって素晴らしいクラブで結果を残してる選手だから、自ずと結果はついてくるなとは思ってました。先制点のような形も彼のストロングポイントだし、代表でどんどんチャレンジしてほしい。やっぱり10番背負ってる僕らのエースでもあるんでね」と潜在能力の高さに太鼓判を押していた。正直、周りもホッとしたのではないだろうか。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top