大儀見優季が吐露した本音。“サッカーを語らない”メディアへの疑問。問われる報道姿勢

リオ五輪の出場権を逃したなでしこジャパン。これまで残してきた実績が素晴らしかったこともあってか、ひとたび五輪予選出場が厳しい状況に追い込まれると、五輪予選期間中にはさながらゴシップのような報道があふれかえることとなった。本来サッカーメディアに求められる役割とは何なのか、今こそ改めて考えたい。(文・取材:小澤一郎)

2016年03月22日(Tue)16時45分配信

text by 小澤一郎 photo Asuka Kudo / Football Channel , Getty Images
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五輪予選期間中に現れた無責任なゴシップ記事

なでしこジャパンで背番号10を背負った大儀見優季
なでしこジャパンで背番号10を背負った大儀見優季【写真:Getty Images】

 女子サッカーのアジア最終予選を3位で終えたなでしこジャパンはリオ五輪の出場権を逃した。佐々木則夫監督が最終戦(北朝鮮戦)後に「負けた時にゴシップのような記事の内容を書くのがスポーツ新聞ではないと思います」と釘をさしたことで、記者の署名記事ではなく「特別取材班」というアンフェアな形でしかゴシップ記事を書けない一部のスポーツ新聞の報道姿勢に批判も出た。

 監督と選手の溝、主力と若手の不協和音などの信ぴょう性の薄いネタに関して、取材源の秘匿(ひとく)とは全く無関係で無責任な「ある関係者によると…」というコメントと憶測で固められたゴシップ記事が作られた。それによって最も被害を被ったのは主力の宮間あやと大儀見優季の2選手だ。

 主将の宮間にせよ、今大会からなでしこジャパンの10番を背負った大儀見にせよ、中心選手の自覚と責任感を持って、予選期間中は誠実なメディア対応を続けた。結果が出ない時、負けた時ほど選手にとってメディア対応は難しいものとなる。

 だが、彼女たちは言葉を選ぶことはあっても時間の許す限りミックスゾーンで立ち止まり、自らの言葉で伝えるべき内容を伝え続けた。彼女たちの目には、メディアの背後で彼女たちの肉声を待つファン、サポーターの姿があったはずだ。

 アジア予選最終戦から3日経った3月12日、あるイベントで大儀見に直接話しを聞く機会を得た。そこで彼女に「大会期間中、なぜあれほどまでコメントを悪用されたにもかかわらず、最後まできちんとメディア対応できたのか?」と質問した。すると彼女はこう答えた。

「んー、何でしょうね……。人としてそうではあってはならないとずっと思っていたし、どれだけ酷いことを言われてもされても、根本にあるものを大事にしなければいけないと思っていました。

『自分のため』ではなくて『チームが良くなるため』に発信しなければいけないのであれば、それを発信し続けなければいけないと自分の中で思っていました。最後までそういう姿勢を崩さず、自分の言葉で伝えるべきことを伝え抜いたという感じです。でも、TwitterもFacebookも何も見れませんでした。怖くて……」

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