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香川真司 7年前

香川、CL欠場で見えた“持ち味”。クロップ時代とは異なる評価基準。勝利とともにドルトは再構築へ

ドルトムントは現地時間2日、チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ第4節でスポルティングCPと対戦。ホームで1-0の勝利を収め、決勝トーナメント進出を決めた。香川真司は負傷によって欠場となったが、それによって改めて香川の持ち味が垣間見えた。10月は苦しい時間を過ごしていたが、ドルトムントは勝利とともに再構築を重ねていく途中なのである。(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ドルトムント、ブレずに勝利。CL決勝トーナメントへ

ドルトムント
スポルティングCP戦に勝利し、ドルトムントはCL決勝トーナメント進出を決めた【写真:Getty Images】

 ブレずに勝ち切った。2016年11月2日のCLグループF第4戦、ボルシア・ドルトムントはホームにスポルティングCPを迎えた。

 貫くスタイルと目指す形がブレることはない。

「ポゼッションを高めてやる」

 シャルケ戦の後で香川真司がそう話したように、3バックを中心に守備を整えるスポルティングに対して、ドルトムントは[4-1-4-1]でボールを回していく。ダービーで負ったくるぶしの腫れの影響で香川はベンチ外となった。インサイドハーフには、右にゲッツェ、左にカストロだ。

 12分の先制弾はゲッツェから生まれる。プリシッチからのリターンをバイタルで受けると、右サイドのギンターへパス。ギンターのクロスを、ラモスがヘディングで流し込んだ。

 その後もドルトムントが手堅くゲームを進めた。34分にはエリア内でゲッツェがプリシッチとワンツー。ゲッツェの折り返しを再びプリシッチがダイレクトでシュートを打つが、クロスバーに弾かれる。ゲッツェは狭いスペースで、正確な技術でチャンスを演出した。持ち味を発揮する。

 後半に入るとインサイドハーフは右にカストロ、左にゲッツェにポジションチェンジした。また左SBのゲレイロがインサイドにポジションを取るようになる。精力的に動き続けたバイグルに加わって、ビルドアップに厚みを持たせようとした。

 スポルティングは後半からワントップをカスタイニョスからバス・ドストに代えて反撃を試みたが、最後までドルトムントのゴールを割ることはできなかった。1-0のまま終了し、ドルトムントが決勝トーナメント進出を決める。

 ギンターは「この勝利によって僕らは確かに新しい自信を手に入れた」と手応えを感じた。ダービーもドローに終わり、なかなか勝ち切れないゲームが続いたからこその喜びとも言えるだろう。

 ドルトムントが「新しい自信を手に入れた」スポルティング戦で、香川は不在だった。しかし、いなくなって初めて…ではないが、香川のいないドルトムントを見ると、逆にトゥヘル体制下における香川の価値、特に左ではなく右のインサイドハーフで起用される理由も垣間見えてくる。

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