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連載コラム 10年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第6回 選手時代の比ではないプレッシャーを感じる日々

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

6月2日 On the pitch 第9節 厚木マーカス戦

 6月2日、関東リーグ2部、第9節厚木マーカス戦(アウェイ)。

 波に乗れない状況は続いたままだった。良くない状況に追い打ちをかけるようにここまで数試合続けてスタメンだった右サイドバックの小田切が練習中に負傷してしまった。プレシーズンずっとスタメンで使っていた鈴木の起用が濃厚で試合当日の朝まではそのつもりでいた。

 バスに乗り、戦術的な指示をボードにまとめ、会場に到着する前にはスタメンを発表する。今だになぜだかわからないが、この試合に限ってはとにかく、気持ちを前面に出して戦う選手が必要だという考えが到着の数分前から突然自分の頭の中に浮かび、次第にそのことで頭がいっぱいになった。

 何かを決断する時には、色々なアイデア、考えが浮かぶ。その想念をひとつずつ客観的に検証していく。客観的にとはいってもそれは今までの自分のサッカー経験という主観的なものが土台になり、それまでの練習や、試合を自分の目という主観がとらえ、判断した結果ということになる。

 もちろんコーチやスタッフの意見は聞くが最後は自分が決めないといけない。つまり、最後の最後は独断になる。当然、そこには責任が伴う。

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