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香川真司 10年前

ルーニー孤立招いた香川との『距離感』。2人を遠ざけたマンUに足りない連動性

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ルーニーが孤立した理由

 第一の理由は、シャフタールの前線からの守備が効いていたことにある。シャフタールは90分間、前線の高い位置でボールを奪いショートカウンターを仕掛けようという明確な狙いがあり、特に体力が余っている前半のプレッシャーは素晴らしかった。結果、何度もユナイテッドの選手は低い位置でボールを失い、うまく組み立てることができなかった。

 二つ目は、そもそもユナイテッドの組み立て能力が低い点。これは、ここ数年改善できていない課題だが、ユナイテッドの組み立ての要、マイケル・キャリックがいないここ数試合は特に、その課題が浮き彫りになっている。

 この日の最終ライン、ファーディナンド、ラファエルの組み立てはまだましだった。だが、ジョニー・エバンズは相変わらず組み立て面での貢献度が低い。ボールを高い位置まで運ぶのはよいのだが、ボールを出すタイミングが悪く、結局、状況に進展のないパスを出すばかり。このあたりはエバンズ大きな課題と言える。

 また中盤の組み立てに関してだが、フィル・ジョーンズは守備面では素晴らしいが、組み立てに関してはいつも通りさっぱりだめだ。

 そしてもう一人の中盤選手であり、組み立て面での貢献が期待されたライアン・ギグスは不調だった。これがルーニー孤立の三つ目の理由だ。

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