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本田圭佑 10年前

本田圭佑が子供たちに伝えたいこと(その3)

text by 森哲也 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , editorial staff

「感動を持って常に生きていれば、あり得ない話じゃないと思っています」

――子供たちの方が想像力があるというか、可能性は無限大ですもんね。

本田圭佑が子供たちに伝えたいこと(その3)
本田圭佑は今も夢を追いかけている【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

「いまは、スタッフ、子供たち、本田含めてみんなが成長を楽しんでる、そんなスクールですね」

――最後にひとつ疑問なのですが、何も本田選手が現役のいまそんなに頑張らなくても、引退してからでも充分できるんじゃないですか?

「今じゃなきゃダメなんです。これは本田が言ったことじゃなくて僕の言葉ですよ。現役を引退しても、あれだけの実績と知名度があれば、子供たちに夢を与えられると思います。でも、それがいまを輝く選手が来てくれたら、子供たちの胸のときめきは絶対違うと思うんですよ」

――確かにそうですね。

「今じゃなきゃできない。旬じゃなきゃできないんですよ。本田自身がもっと伸びてく時にこの企画をやれることにすごく意味がある」

――いままさに第一線で戦っている本田選手と関われる。一緒に夢を追える。子供たちからしたら、おそらく一生もんの体験ですよね。

「だからいつか、このノートを持って『実は僕あの頃(本田の)スクールに通ってたんです』と。そういった子供が十年後とかに世界で活躍したり、日本代表に入ったりしたら、すごい夢だなと思っています」

――スクールの理念を子どもたちが忘れず努力を続ければ、あり得ない話じゃないですね。

「感動を持って常に生きていれば、あり得ない話じゃないと思っています」

 榎森の現役時代のポジションはおもにサイドバックだったそうだ。テレビの画面には映らなくても、パスは来なくとも、サイドでアップダウンを繰り返すことが求められる黒子的なポジションでもある。

 高い理想を掲げ、まさに本田を、スクールを、ハードワークで支える榎森やスタッフの方の挑戦に今後も注目したい。いつか華麗なオーバーラップで本田を追い越していく日を夢見て。

(文中敬称略)

【了】

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