香川は本当に守備が苦手なのか? ドルトムントとのスタイルの違いから見えてくるマンUでの不遇の要因
マンチェスター・ユナイテッドで香川が苦戦する要因の一つとして、守備力のなさが指摘されている。だが、果たして本当だろうか。ドルトムント時代は守備力を評価されていたのだ。両チームのスタイルの違いから不遇の要因が見えてくる。
2014年03月02日(Sun)10時36分配信
ドルトムントの代名詞「ゲーゲンプレッシング」とは?
「ショートパスを繋ぐポゼッションサッカー」。このスタイルが主流となっている昨今のサッカー界において、真逆の路を進む“ヘビーメタル”なチーム。それがボルシア・ドルトムントだ。
ユルゲン・クロップ監督の代名詞は「ゲーゲンプレッシング」。これは、ボールロスト時にリトリートせず、その場でプレスをかけてボールを奪うというもの。
ドルトムントの攻撃は、ディフェンダーやゴールキーパーからの前方へのロングボールを合図に発動され、敵陣で相手にボールが渡れば全員が連動してプレスをかける。そうして奪い返したボールを一気にゴールまで運んでしまうのだ。
これは相手がボールを保持していることが前提であり、状況によっては「あえて相手にボールを渡す」という選択肢もあるほど。そして、驚異的に早い攻守の切り替えと、スピーディーな縦への攻撃が必要となるため、必然的にポゼッション率が下がってしまう。
25日に行われたチャンピオンズリーグのゼニト戦でも4-2で勝利しながら、ポゼッション率は40.7%というものだった。
もちろん、極端に力の劣る相手に対してはボールを支配して圧勝する試合もあるが、この試合に限らずアーセナルにも、ナポリにも、マルセイユに勝った試合でもポゼッション率は40%台前半に留まっていた。そして、ポゼッション率で下回っているからと言って、引いて耐えて少ないチャンスをものにしたという印象はない。
快勝した試合後、クロップ監督や選手たちが満足げに「戦術が機能した。プレスが上手くいった」というようなコメント度々残していることからも、ゲーゲンプレッシングがいかに効果的か分かる。