フットボールチャンネル

日本代表 10年前

穴がないところに穴を開ける――。岡崎慎司が語る得点を生む極意

text by 元川悦子 photo by Ryota Harada , Getty Images

「真司がよく見てくれていたので、自分が完全にフリーになれた」

20140307_okazaki3
岡崎はNZ戦、開始早々先制点を挙げた【写真:Getty Images】

 そんな狙いが本番の開始早々にいきなり結実する。立ち上がりの4分、中盤でボールを持った香川真司からのロングパスに素早く反応。DFの背後を取った。最終的にはDFとGKが寄せてきたが、岡崎は滑り込みながらボールを点で合わせてゴール。まさに彼らしい泥臭い一発だった。

「相手が最初から僕のことを見ていなかったし、真司がよく見てくれていたので、自分が完全にフリーになれたし、1点目につながったと思う。倒れながらのシュートはボールが結構揺れて落ちたので、ちょっとトラップを失敗したけど、そこから相手がちょっともたついていたので、諦めずにいったことがよかったと思います。

 自分がハッキリ動いていれば、パスを出す方も分かりやすい。それは僕もチームメートに要求しているし。そこで何もできなければ終わりになってしまうけど、あえて引かずに自分の持ち場で勝負するというのをマインツでも心掛けてます。今日も引かずにやるという部分では悪くなかった」と彼は自らの信念を貫いて、電光石火の一撃でカウンターパンチを食らわせた。

 17分には、左サイドの香川から本田圭佑へとボールが渡り、本田が華麗なヒールパスを流す。そこに走りこんだ岡崎が左足でダイレクトで合わせる。GKが弾ききれずに入ったのもあるが、こんな左足シュートはこれまでの岡崎には見られないものだった。

 本人も「今までの自分はヘディングシュートが80%くらいを占めていたけど、今季のマインツでは違ったパターンのシュートが多い。新しい形が増えている」と語っていたように、明らかに得点のバリエーションが多彩になっているという印象を強く残した。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top