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日本代表 10年前

「南アと同じ戦いはしたくない」。長友佑都が目指す真の強豪になるための挑戦

text by 元川悦子 photo by Getty Images

前半は翻弄されるも、無失点で乗り切る

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フランス戦の前半は相手の圧力に翻弄される【写真:Getty Images】

 迎えた10月12日のフランス戦。フィジカルとタレント力の高いフランスが頭から飛ばしてきた。メネズ、ベンゼマ、ジルーの強力3トップが流動的に動くうえ、2列目のシッソコとマテュイディも絡んでくるなど、フレキシブルな攻めを繰り出す相手に日本は翻弄された。

 次々と中盤を崩され、ゴールまでボールを運ばれ、立ち上がり20分間は怒涛の攻めにさらされた。それでも耐えに耐えて、前半を何とか0-0で折り返すことに成功する。

 後半は相手がベンゼマを下げたことで少し攻撃の迫力が低下し、徐々に日本に流れが来るようになる。ザック監督も中村憲剛と長谷部誠を下げて、細貝萌と乾貴士を投入。香川をトップ下に動かして勝負に出た。

 この形になってから長友も持ち前の突破力を発揮できるようになり、得点の予感も漂わせた。そんな日本をねじ伏せようとフランスは温存していたリベリーらを送り込んできたが、酒井宏樹がうまく断ち切ってくれて事なきを得る。

 そして終盤、相手のCKのクリアボールを今野泰幸が拾い、ドリブルで前線へ。この瞬間、香川が中央に流れてDFを引きつけ、右サイドに走った長友をフリーにした。そして長友にボールが渡り絶妙のクロスを香川へ。

 10番をつける男の一撃が飛び出し、フランスを奈落の底に突き落とした。

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