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日本代表 10年前

「南アと同じ戦いはしたくない」。長友佑都が目指す真の強豪になるための挑戦

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「世界はそんなに遠くない場所だと思う。それをこの2連戦で証明したい」

「岡田(武史)さんの時は国内でプレーしていたので、海外の強豪と対戦するたび、ドキドキしていましたけど、今はチームメートに世界トップレベルの選手がいるから落ち着いていますね。安定して自分の力をしっかり出せれば問題ない。そこまで気持ちが高ぶることもないですね。

 この2連戦ではチームとしてどこまで通用するかももちろんだけど、個人レベルでフィジカルコンタクトや技術も含めてやれるかを見ておかないといけない。

 ここであまりにも差があるようだったら、ワールドカップのことを考えると厳しい。やっぱりトライしないと何も見えてこないし、引いて守ったり1対1で怖がったりしていたら何も得られるものはない。

 止められてもいいからぶつかって初めて世界との差がどれくらいなのかを感じられると思います」

長友は2連戦に先駆けて集まったパリ郊外のフランコンビルで、力を込めて語った。フランスとブラジルというのは日本代表がそうそう戦える相手ではない。国際経験の少ない日本の選手にとってこの機会は非常に重要だ。

 長友自身も2009年9月のオランダ、ナイジェリアとの欧州遠征2連戦でコテンパンに叩きのめされ、世界の厳しさを知ったという。

 その当時の自分を彼は改めて思い返していた。

「相手のレベルやスピードは試合をやらないとわかんない部分がある。僕も日本でやってる時は全く分かんなかった。オランダと親善試合をやって初めて感じたことは多かった。

 だけどあの時は向こうも本気じゃなかった。正直8割かな。同じクラブにいるスナイデルの気合の入り方を見てるとやっぱり違うから。それでも、やらないと絶対に分からないからね。

 あれから海外へ行く選手が増えて、意識も変わって、日本はどんどん世界に近づいていると思う。僕自身、日本代表のレベルは確実に上がっているし、世界はそんなに遠くない場所だと思う。それをこの2連戦で証明したいですね」

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