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日本代表 10年前

ザックジャパン回想録。試練を乗り越え成長、主力不在の最終ラインを力強く支えた吉田麻也

text by 元川悦子 photo by Getty Images

伊野波、水本との不慣れなコンビにも「しっかりやれるように」

ザックジャパン回想録。試練を乗り越え成長、主力不在の最終ラインを力強く支えた吉田麻也
伊野波雅彦【写真:Getty Images】

 UAE戦は右から酒井宏樹、伊野波、吉田、駒野という最終ラインで先発し、後半から伊野波と水本が交代。センターバックのコンビを試しながら戦い、最終的にハーフナー・マイクのゴールで勝ち切った。しかし、吉田と伊野波、吉田と水本の関係はいずれも不安定さを垣間見せており、何度も裏を取られたり、細かいミスが出たりしていた。

「ゼロに抑えられたのは1つの収穫だけど、距離感が悪い時も結構あったし、左サイドで何度か裏を取られたりしていた。そういう事態も起こり得るので、改善しないと。やられたからバタバタするんじゃなくて、すぐに自分たちの流れに引き戻せるようにやる必要がありますね。

 今回は今ちゃん(今野)がいないんで、いる選手でやるしかない。今ちゃんとは長くやってきて特徴が分かっているけど、それ以外の選手と組むとどうしてもそういうわけにはいかないところがある。

 そういう中でも、お互いの意思疎通と、ディフェンスライン全体の連動性を出して守備をすることですね。選手同士の感覚が遠かったり、ラインが低い時があるという問題点は明確になってるんで、そこをしっかり修正することが大事だと思います。

 イラク戦で伊野波君、ミズ君(水本)のどっちと組むかは僕が決めることじゃない。ザックさんに『これで行く』と言われた状態でしっかりやれるように準備しておきます」と、吉田はどういう組み合わせでも行けるように自分の中でイメージを膨らませていた。

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