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香川真司 10年前

マンU、先制直後の失点で「試合は終わった」。後半に浮き彫りになった柔軟性なきモイーズの戦術

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

バイエルンは後半途中からサイド攻撃を強化。ユナイテッドは疲労で数的不利に

―ガリー・ネビル解説者(元ユナイテッドDF/イングランド代表)

「後半はゴールが決まるまでどっちつかずの試合展開だった。ユナイテッドが先制点を決め、すぐに失点した。試合は再びどちらにも転びうる展開になったが、バイエルンがラフィーニャを投入してサイド攻撃を強化すると、ユナイテッドの数選手が疲れ始めた。

 先制してからのユナイテッドの戦術は酷かったし、1-2にされてからも巻き返せるチャンスはあったがダメだった。ユナイテッドは先制した後、あまりにも早く失点を喫した。あの時点で試合は終わったようなものだった。

 バイエルンは常にサイド攻撃をするチームであるし、攻略するには両サイドの選手を止めなければならない。特にロッベンは昨年の決勝でも活躍し、今日の試合でも活躍した選手であり、彼こそが勝利をもたらす選手だった。

 前半はロッベンがサイドから中央に切り込んだ際、キャリックやセンターバックが止めていたが、終盤には止められなくなった」

―グレアム・スーネス解説者(元リバプールMF/スコットランド代表)

 「第1戦を終えて、『ボール支配率は重要ではない』というような風潮が漂ったがポゼッションは非常に重要だ。このレベルのチームがボールを支配すれば、守備側も素早いプレスを掛けなければならなくなるし、終盤には必然的に疲れてしまう。

 試合の分岐点となったのはバイエルンが後半途中からサイド攻撃を強化してからだ。サイドには広大なスペースができ、バイエルンは時間に余裕を持ってユナイテッドのサイドバックを突いた。ユナイテッドは最終ラインでカバーする選手がいなくなり、数的不利になった。失点場面はそういう状況だった。

 バイエルンは戦術的にユナイテッドを上回っていたと思う。ユナイテッドは70分で体力を消耗し、疲れを見せ始めた時間帯に守備が深くなり過ぎ、相手の両サイドMFに1対1で対応できなくなり失点した。ユナイテッドの疲れは明らかだったし、彼らは試合を通して守備に追われ、相手にプレスをかけ続けた」

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