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香川真司 10年前

マンU指揮官の試合分析に現地識者が一刀両断「あれでいいプレーなら今後が心配」「何がしたいかわからない」

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「だらだらとボールを保持するだけではボールを支配しているとは言えない」

「今のユナイテッドからは勝利への貪欲さが見られない。彼らはすでにシーズン終了後の休暇の事を考えているように思える。選手と監督、チーム全員が責任をとらなければならない。

 監督は選手を信頼し、勝算のあるチームを組んでいるが、選手たちが実力を発揮していない。その根底にあるのは勝利への貪欲さだと思う。今のユナイテッドには誰もが知る本来の絶対的な力が無くなってしまった」

 試合後、ユナイテッドのモイーズ監督は次のように話した。

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デイビッド・モイーズ監督【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

「酷い2失点を献上してしまった。だが選手たちは試合を通して素晴らしいパスを繋いでいたし、ボールも支配していた。できなかったのは十分な決定機を作ることだった。前半は2失点したが、いい形でボールを回していたと思う。

 とはいえ、決定機に繋がる最後のパスが少なかったのが残念だった。ボールを支配したことに関しては、選手たちを褒めたい。CL出場への望みが消えた事は痛手だが、できるだけ早く大会に復帰できるように努める」

このモイーズ監督のコメントを受け、前述の解説者はこう批判を続けた。

――キャラガー解説者

「モイーズはいいプレーをしたと言うが、そうは思えない。ボールを保持するだけではどうにもならないし、ユナイテッドのいいプレーではない。決定機を量産し、相手のペナルティエリアに侵入するのが本来のユナイテッドだ。

 ボール支配率は意味がないし、今日のユナイテッドは練習をしているようだった。モイーズが前半いいプレーをしたと言うのなら、今後のユナイテッドが心配だ。

 ボール支配率は良く取り上げられることだが、だらだらとボールを保持するだけではボールを支配しているとは言えない。素早いパスと前線に走る選手こそが脅威となる。リバプールが昨季から変わったのはそうした点だ。

 昨季はパスや動きが遅く、相手も対応しやすかったが、今季は素早さが増した。今のユナイテッドはプレーが遅すぎるし、練習をしているようだ。攻撃せずにボールを保持することだけに満足しているようでは不安だ」

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